病院・クリニックによくある問い合わせ
「診療時間は何時までですか?」
「初診でも予約できますか?」
「当日の持ち物は?」
「この診療はどこから予約すればいいですか?」
病院・クリニックには、患者さまから似た内容の問い合わせが繰り返し寄せられます。
一つひとつは短い問い合わせでも、電話が鳴るたびに受付業務が中断されれば、スタッフの負担は小さくありません。また、夜間や休診日には患者さまが疑問を解消できず、そのまま予約を諦めてしまう可能性もあります。
こうした問い合わせ対応を効率化する方法として、医療機関向けAIチャットボットの導入が広がっています。
AIチャットボットは、Webサイト上で診療時間・予約方法・費用・持ち物・アクセスなどの質問に24時間自動で回答し、必要に応じて予約ページや電話窓口へ案内する仕組みです。
ただし、サービスによって「医療機関への対応」「回答精度」「FAQ構築の負担」「予約導線」「導入後の改善方法」などには違いがあります。
本記事では、以下までまとめて解説します。
- 医療機関向けAIチャットボットとは何か
- 病院・クリニックで導入するメリット
- 予約システムとの違い
- AIチャットボットの選び方
- 主要サービスの比較
- 費用
- 導入方法
医療機関向けAIチャットボットとは?
医療機関向けAIチャットボットとは、病院・クリニックのWebサイトなどに設置し、患者さまからの問い合わせにAIが自動で回答する仕組みです。
たとえば、
- 診療時間・休診日
- 診療科
- 初診・再診の受診方法
- 予約方法
- 検査・健診の案内
- 費用
- 当日の持ち物
- アクセス・駐車場
- Web予約やLINE予約への案内
といった、来院前によくある質問への対応に向いています。
一般企業向けのチャットボットと大きく異なるのが、医療機関では「何をAIに回答させ、何を人へ引き継ぐか」という設計が重要になる点です。
たとえば、診療時間や予約方法はAIで案内できますが、診断や投薬など医療的な判断が必要な質問はAIで判断させず、医療機関や適切な窓口へ誘導する必要があります。
SuguDeskでも、医療機関が確認した情報をもとに回答範囲を設計し、診断・投薬判断には回答しない仕組みを採用しています。
病院・クリニックが導入する4つのメリット
1. 電話対応の負担を減らせる
AIチャットボット導入の大きな目的の一つが、定型的な電話問い合わせの削減です。
「診療時間」「予約方法」「料金」「持ち物」など、Webサイトを探せば書いてあるものの、患者さまが見つけられず電話している問い合わせは少なくありません。
こうした質問をチャット上で自己解決できるようにすることで、受付スタッフは、
- 来院中の患者さまへの対応
- 会計
- 診療補助
- 複雑な問い合わせ
など、人でなければ対応できない業務に集中しやすくなります。
実際、医療特化型のCLIBOやNOMOCa-AI chatなども、電話対応負担の削減を主要な導入メリットとして訴求しています。
電話対応そのものを減らす方法をより広く比較したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。
AIチャットボットの費用対効果を見る際には、月間問い合わせ件数 × 1件あたりの平均対応時間で、現在どの程度の業務時間が問い合わせ対応に使われているかを確認すると判断しやすくなります。
AIチャットボットですべての電話をなくす必要はありません。定型的な質問だけをチャットへ移し、人による対応が必要な問い合わせだけを残すという考え方が現実的です。
2. 診療時間外でも問い合わせに対応できる
電話対応は、基本的にスタッフがいる時間に限られます。
一方、患者さまが病院・クリニックを探すのは診療時間内とは限りません。仕事が終わった夜間や休診日に、
- 「この症状なら何科?」
- 「明日は診療している?」
- 「予約はどこから取ればいい?」
とWebサイトを訪れるケースもあります。
AIチャットボットであれば24時間365日、事前に設定された範囲で案内できます。SuguDeskをはじめ、NOMOCa-AI chat、CLIBO、受診ボットなど、医療機関向けサービスの多くが24時間対応を特徴としています。
3. 予約までの導線を分かりやすくできる
「予約システムを入れれば問い合わせも減る」と考えられがちですが、予約システムとAIチャットボットの役割は異なります。
患者さまは予約する前に、
- 「この診療はWeb予約できる?」
- 「初診でも予約できる?」
- 「この検査は予約が必要?」
- 「どのメニューを選べばいい?」
といった疑問を持つことがあります。
AIチャットボットは、こうした予約前の疑問を解消してから、適切な予約ページへ案内する役割を担います。SuguDeskでも質問内容に応じてWeb予約・LINE・電話などへ案内する仕組みを提供しています。
4. 患者さまの「分からない」をデータ化できる
電話問い合わせだけでは、「患者さまが何につまずいているのか」を継続的に把握するのは簡単ではありません。
AIチャットボットでは、質問ログから、
- よく聞かれる質問
- AIが回答できなかった質問
- 電話案内が多かった質問
- 予約につながった質問
などを確認できます。そこからFAQやWebサイトそのものを改善していけば、チャットボットだけでなくホームページ全体の分かりやすさを改善するサイクルを作れます。
AIチャットボットと予約システムの違い
AIチャットボットと予約システムは競合するものではなく、役割が異なります。
| 比較項目 | AIチャットボット | 予約システム |
|---|---|---|
| 主な目的 | 疑問解消・問い合わせ対応 | 予約受付・予約管理 |
| 利用タイミング | 予約前〜来院前 | 予約する段階 |
| 対応する内容 | 診療時間、料金、持ち物、予約方法など | 日時・メニュー・医師などの選択 |
| 電話削減 | ○ 定型質問を削減 | ○ 予約電話を削減 |
| 予約確定 | 原則しない※ | ○ |
| 併用 | ◎ | ◎ |
※予約システムとの連携範囲はサービスによって異なります。
たとえば以下のような役割分担です。
患者:「初診ですが予約できますか?」
↓
AIチャット:「初診の方はこちらから予約できます」
↓
予約システムへ遷移
そのため、すでに予約システムを導入している医療機関でも、「予約システムはあるのに予約方法について電話が来る」場合にはAIチャットボットを併用する意味があります。
医療機関向けAIチャットボットの選び方
1. 医療機関向けに設計されているか
最初に見るべきなのは、単なる汎用チャットボットなのか、病院・クリニックでの運用を前提としているかです。
医療機関では、
- 初診・再診
- 診療科ごとのルール
- 保険診療・自由診療
- 紹介状の有無
- 検査・健診
- 時間外・救急
- 複数院ごとの違い
など、案内条件が複雑になりやすいためです。
2. AIが回答してよい範囲を制御できるか
生成AIで特に重要なのが回答範囲です。何でも回答できることより、「回答してはいけないことに回答しない」方が医療機関では重要です。
導入時には、
- どの情報を回答根拠にするのか
- 診断や投薬に関する質問をどう処理するのか
- 判断できない質問をどこへ誘導するのか
- 情報変更時にどう更新するのか
を確認しておきましょう。
3. FAQを誰が作るのか
見落とされやすいポイントです。チャットボット自体を契約しても、「100件のFAQを医療機関側で作ってください」となると、導入担当者の負担は大きくなります。
選定時には、
- Webサイトを登録するだけなのか
- FAQを院側で作成する必要があるのか
- ベンダーがヒアリングして作ってくれるのか
- 導入後のFAQ改善まで支援されるのか
を確認してください。
4. 予約導線まで設計できるか
質問に回答して終わるだけでなく、疑問解消 → 予約までつながる設計になっているかも重要です。
予約ページ、LINE公式アカウント、電話窓口など、質問内容に応じて患者さまを適切な次の行動へ案内できるサービスを選ぶとよいでしょう。
5. 導入後に改善できるか
AIチャットボットは「設置して終了」ではありません。運用すると、
- 「意外とこの質問が多かった」
- 「この表現ではAIが理解しにくい」
- 「電話に誘導している質問が多い」
などが分かってきます。そのため、
- 問い合わせログ
- 未回答質問
- 頻出質問
- 利用状況
- 改善サポート
まで確認することをおすすめします。
主要サービス比較(2026年9月時点)
2026年9月時点で公開されている公式情報をもとに、代表的なサービスを比較します。
| サービス | タイプ | 公開月額料金 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| SuguDesk | 医療機関特化 | 8,000円〜 | FAQ設計・回答範囲設計・運用改善まで支援。病院・複数院対応 |
| NOMOCa-AI chat | クリニック特化 | 8,000円(税込) | 24時間対応、分析、LINE設置、仮予約、多言語 |
| CLIBO | クリニック特化 | 9,980円(税込)〜 | Web・Excel・PDFをもとに構築。導入・運用サポート |
| 受診ボット | 医療機関特化 | 11,000円/月 | Webサイト情報を活用。未回答管理、予約URLへの導線 |
| RICOH Chatbot Service | 汎用 | 18,000円(税別)〜 | 幅広い業種で利用可能。Q&A型・生成AI型など複数プラン |
※初期費用やオプション、利用上限などはサービスによって異なります。最新情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。
公開情報では、NOMOCa-AI chatは月額8,000円(税込、別途初期費用)、CLIBOは月額9,980円(税込、別途初期費用)、受診ボットは月額11,000円+初期費用11万円、RICOH Chatbot Serviceは月額18,000円(税別)からとなっています。
SuguDesk
SuguDeskは、病院・クリニック・複数院を対象とした医療機関向けAI受付です。
単にチャットボットのシステムを提供するだけでなく、
- 医療機関ごとのFAQ設計
- AIが回答してよい範囲の設計
- Web予約・LINE・電話窓口への案内
- 問い合わせログ分析
- FAQ・ホームページの継続改善
まで一貫して支援します。現在の公式サイトでは月額8,000円〜で提供しています。
向いている医療機関:FAQを院内でゼロから作るのが難しい、複雑な案内ルールがある、導入後も継続的に改善したい病院・クリニック。
NOMOCa-AI chat
NOMOCa-AI chatはGENOVAが提供するクリニック特化型AIチャットボットです。
24時間365日の問い合わせ対応に加え、仮予約、LINEへの設置、分析ダッシュボード、多言語などの機能を提供しています。公式サイトでは2026年7月末時点で2,928医院の導入実績を掲載しています。
CLIBO
CLIBOはクリニック専用AIチャットボットです。
Webサイトの情報やExcel・PDFなどをもとにチャットボットを構築し、導入時の設定から運用後の改善まで専任スタッフがサポートします。月額9,980円(税込)からで、別途初期費用が必要です。
受診ボット
受診ボットはMIRAIZUが提供する医療機関向けAIチャットボットです。
24時間365日の問い合わせ対応や、ホームページ情報からの案内、未回答質問の確認、予約システムへのURL案内などに対応しています。公式サイトでは月額11,000円、初期費用110,000円(15ページまで)と案内されています。
RICOH Chatbot Service
RICOH Chatbot Serviceは医療専用ではなく、幅広い業種を対象としたAIチャットボットです。
Q&A型・生成AI型など複数のラインナップがあり、Q&Aシリーズは月額18,000円(税別)から。30日間の無料トライアルも提供しています。
医療機関向けAIチャットボットの費用
上記の公開価格を見ると、医療機関向けのサービスでも料金体系には差があります。そのため、単純に「月額が安いサービス」を選ぶのではなく、
月額料金 + 初期費用 + FAQ構築 + 導入後の運用工数
まで含めて比較することが重要です。
特に確認したいのは、
- 初期費用
- 月額基本料金
- 会話数による従量課金
- FAQ数の上限
- FAQ構築費
- サポート費
- 複数院追加費用
- 予約・LINE等の連携費
です。
「月額1万円」と書かれていても、院側でFAQを何百件も構築・更新する必要があれば、実際の運用コストは大きくなります。システム利用料だけでなく、院内で必要になる作業時間まで含めて比較することをおすすめします。
導入までの流れ(STEP1〜5)
一般的には以下の流れで導入します。
STEP1:問い合わせ内容を整理する
まず、実際に電話・受付でどのような質問が多いかを整理します。すべてをAI化する必要はありません。まずは、
- 「診療時間」
- 「予約方法」
- 「料金」
- 「持ち物」
- 「アクセス」
など、頻度が高く回答を定型化できるものから始めます。
STEP2:サービスを比較する
医療機関への対応実績、FAQ構築方法、回答範囲、料金、予約導線、運用支援などを比較します。
STEP3:FAQと回答ルールを構築する
チャットボットへ登録する情報と、AIが答えてよい範囲を決めます。
STEP4:Webサイトへ設置する
多くのサービスでは、既存Webサイトへタグを追加することで設置できます。
STEP5:ログを確認して改善する
公開後に質問ログを確認し、未回答質問や頻出質問を追加して精度を高めます。
SuguDeskの場合は、ヒアリングからFAQ設計、設置、運用改善までを専任チームが支援し、標準的には申し込みから約2〜4週間で運用を開始しています。
よくある質問
Q. AIチャットボットを入れると電話はなくなりますか?
完全になくすことを目的にする必要はありません。診療時間や予約方法などの定型問い合わせをAIへ移し、症状の相談や個別判断が必要な問い合わせを人が対応することで、電話対応を効率化する考え方が適しています。
Q. 予約システムがあってもAIチャットボットは必要ですか?
役割が異なります。予約システムは「予約を取る仕組み」、AIチャットボットは「予約前の疑問を解消する仕組み」です。「Web予約は導入済みなのに、予約方法について電話が来る」という医療機関では併用を検討する価値があります。
Q. ChatGPTをそのまま設置するのと何が違いますか?
医療機関では、自由に回答できることよりも、院が確認した情報だけをもとに適切な範囲で案内できることが重要です。導入時には、どの情報を回答根拠としているか、答えられない質問をどう処理するかを確認してください。
Q. 病院でも利用できますか?
サービスによります。複数診療科、予約センター、地域連携室、健診など、クリニックより情報量や案内条件が多いため、病院の場合は複数診療科や複雑な導線に対応できるか確認する必要があります。
Q. 導入後の運用は必要ですか?
必要です。診療時間、料金、医師の担当、予約方法などが変われば回答情報も更新する必要があります。また、実際の質問ログから新しいFAQを追加することで回答精度を高められます。
まずは30分の無料相談で、貴院の問い合わせをどこまで自動化できるかご案内します
問い合わせ実態のヒアリング/想定効果/最適プランのご提案までワンストップで。導入前提でなくてもご相談可能です。
無料で相談する →まとめ|「回答精度」だけで選ばない
医療機関向けAIチャットボットを選ぶ際には、「AIが賢いか」だけでは不十分です。
重要なのは、
- 医療機関の複雑な案内に対応できる
- 回答してよい範囲を制御できる
- FAQ構築の負担が少ない
- 予約までの導線を設計できる
- 導入後に継続改善できる
ことです。特に、現在どのような電話問い合わせが多いかを確認してからサービスを選ぶと、自院に必要な機能が明確になります。
SuguDeskでは、病院・クリニックごとの問い合わせ内容をヒアリングし、「どの問い合わせをAIに任せられるか」から整理しています。「まず自院の場合、どの程度自動化できるのか知りたい」という場合は、実際の問い合わせ内容をもとに30分の無料相談で確認できます。
SuguDeskは現在、月額8,000円〜で、FAQ設計から導入後の改善まで支援しています。ご相談は お問い合わせフォーム または 03-6698-4206(平日10:00〜17:00)まで、お気軽にご連絡ください。